未分類

「昭和ミニラジカセ」がおしゃれなテレコすぎる件

ニュース
» 2019年02月16日 12時03分 公開

このミニチュアカセットレコーダーにはなぜか惹かれてしまう。その理由がわかった。

[松尾公也,ITmedia]


 「何もかもみな懐かしい……」と筆者の手からはらりとカセットウォークマン(初代)が滑り落ちていった。

 タカラトミーアーツが2月28日に発売するミニチュアガジェット「ザ・昭和シリーズ」3製品が筆者の元に届いたのだ。ラインアップはラジカセの「昭和ミニラジカセ」、アナログレコードプレーヤーの「昭和レコードスピーカー」、そして家具調テレビの「昭和スマアトテレビジョン」。

 これらをひとつひとつ鋭い老眼の視点で検証しようと思う。まずは「昭和ミニラジカセ」から。5480円(税別)だ。

パッケージの芸が細かすぎる

 この「ザ・昭和」シリーズだが、製品として楽しめるのはもちろんだが、パッケージのコピーからして70-80年代臭プンプンだ。

  • ぼくらは昔、ラジカセに恋をした。
  • FM/AMも聴けちゃう! もう脱帽です!
  • ラジカセはポータブルでなくっちゃ!
  • 色んなところへ連れてって!
  • なんてったってカセットサウンド
  • あの子に愛のメッセージを送っちゃお!

photo
1970年代末から80年代あたりの「りぼん」テイストのイラスト

 この「昭和ミニラジカセ」は、ちゃんとラジオもカセットレコーダーもある。

photo

 では本体。ラジオはAMもFMのバンド切り替えができ、ロッドアンテナを伸ばしてダイヤルでチューニングできる。ザッザー。バッドチューニングだぜ。

 ただし、前面のチューニングメーターはダミーで動かない。音を手探りで合わせる。FENが聴こえてきた。あ、今はFEN(Far East Network)じゃなくて、AFN(American Forces Network)というのか。FMはワイドFMなので、AM局をクリアな音声で聞ける。

 ラジカセなので、当然ながらエアチェックができる。エアチェックとは、放送されたラジオ番組をコンパクトカセットなどに録音することだ。70-80年代にはFM局の番組表を集めた「FM雑誌」が多数存在していて、若者はFMステーション、FMレコパル、週刊FM、FMファンなどを買って(筆者はFMステーションとレコパル両方買ってた)、「お、TOTOの武道館ライブやるのか、エアチェックしなきゃ」と蛍光マーカー引いたりしていたのである。

 昭和ミニラジカセはエアチェックをインライン録音できる。できるのだが、小さいからなのか、収録時間が短い。超小型の透明なカセットテープに巻き取られた磁気テープの厚みはわずかで、たしかにこれはあまり収録できなそうである。

photo
妻がエアチェックしたカセット(ナショナル製)とサイズ比較

 事実、このラジカセで録音できるのはカセットの片面に5分。裏返せばさらに5分収録できる。彼女にプレゼントするミックステープを作るにしても、A面とB面合わせて10分。実を言うとカセットがメモリとなっているわけではなくて、ラジカセ本体内に録音され、カセットはそのスイッチとなっているのだ。

 早送り、巻き戻しボタンはキュルキュルいって頭出しをしているようだが、停止後はその面の頭から再生される。

 A面に好きな番組を5分だけエアチェックして、B面にはマイクから自作のフォークソングを吹き込む、なんてこともできちゃったりしちゃったりして。録音終了時のボタンノイズまで入れてくれる凝りようだ。

 カセットテープといえば、30分、46分、60分、120分といったバリエーションが主流だったが、このカセットは5分。しかし、そういったカセットも当時はあったのだ。筆者が使っていたMZ-80K2Eはカセットデータレコーダーを内蔵しており、長すぎても使い勝手が悪いので5分、10分のカセットを秋葉原で買い込んで、打ち込んだプログラムを保存していたのだ。だからこの5分という設定は間違いではない。エアチェックには不向きだが。

 ところで筆者は最近カセットテープレコーダーを3台購入している。1つは先日レポートした初代ウォークマン。そしてソニーのラジカセCF-1600。どちらもメルカリでゲットした。こいつは中学1年生のときに最初に買ってもらったテレコ(テープレコーダー)で、ラジオもついていた。これでエアチェックをしていたのだ。

 もう1台は、最近の製品だ。サンスイというオーディオマニアにはたまらない魅力を持ったブランドから出ているラジカセ。といってもサンスイは高級オーディオだったのでラジカセとか作っていなかった。このブランドの使用権を得たドウシシャというメーカーが作った最新ラジカセなのだ。

 「SCR-B2(BL)」という型番のAM/FMステレオラジカセがなぜか郷愁を誘う。Bluetoothスピーカーになり、MP3データの再生もできるが、そのデザインはなぜか「昭和ミニラジカセ」と驚くほど似ている。

 それもそのはず、SCR-B2も昭和ミニラジカセも、同じ製品をオマージュしているからなのだ。

 それは1979年に発売された三洋電機のMR-U4。スクエアな横長スタイルで真っ赤なカラーリング、男っぽいデザインのラジカセが多かった中で初めてのシャレオツな製品だった。「おしゃれなテレコ」として宣伝していた。

 SCR-B2と昭和ミニラジカセを比較してみよう。ボタン配置、スピーカーデザインなど、U4にクリソツであることがわかるはずだ。SCR-B2にはレッドカラーもある。

photo
実寸大の最新リアルラジカセと昭和ミニラジカセが実に似ている

 実はこの2製品の元ネタであるMR-U4、大学生のときに買って持っていたのだ。たぶん1979年ごろ。いつのまにか家からはなくなってしまったのだが、またモーレツに欲しくなってしまった。この三兄弟を並べたい。

 と、メルカリとヤフオクでMR-U4の価格を調べる筆者であった。

 この記事を書くために納戸を漁っていたら、妻のカセットライブラリを見つけた。中にはジョン・レノンの訃報を知らせるオールナイトニッポンのエアチェックもあった。昭和ミニラジカセは思い出を見つける役には立ってくれたようだ。こうして僕のカセットライフはまだまだ続いていく。

photo


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

Most Popular

To Top
%d人のブロガーが「いいね」をつけました。