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タブレットやスマホがレジ端末に “軽減税率”対策でも注目したい「mPOS」

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» 2019年03月05日 06時00分 公開

お店のキャッシュレス化において、必須となるのが対応するレジだ。現在、レジの買い替えは千載一遇のチャンスでもある。そうした中、注目したいのが「モバイルPOS(mPOS)」と呼ばれるPOSシステムだ。

[小山安博,ITmedia]




 お店のキャッシュレス化において、必須となるのが対応するレジだ。今まで、電卓で計算していたような個人商店や、古いレジスターを使っているような店舗では対応できないため、新たなレジの導入を検討する必要がある。

消費税増税の“軽減税率”に注意

 個人商店だと、「レジが必要ない」「古いままでも十分」という声もあるだろう。予算がないという場合もあるだろうが、現在、レジの買い替えは千載一遇のチャンスでもある。本題の前に、このあたりの説明をしておこう。

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古いレジだとキャッシュレスに対応できない(写真はイメージです)

 前回も紹介した通り、現在、政府はレジの購入に補助をする施策を展開している。2019年10月には消費税が8%から10%に増税されるが、それに伴って軽減税率が設定されることに伴う措置だ。

 この軽減税率は「低所得者層への配慮」とされており、「酒類・外食を除く飲食料品」と「定期購読契約が締結された週2回以上発行される新聞」の2種類の品目に対しては8%の消費税率が据え置かれ、それ以外の品目は10%の税率となる。

 対象品目が何になるかの考え方は、やや複雑だ。基本的には「酒税法が規定する酒類を除き、食品表示法が規定する飲食料品」とされている。対象となる飲食料品でも、事業者が販売する際に、飲用または食用として販売するものかどうかを判断するのが原則、というのが政府の見解だ。

 外食やケータリングは軽減税率の対象外だが、例えば牛丼屋やハンバーガー店、フードコートで購入してその場で飲食する際には消費税が10%になるのに対し、テークアウトだと軽減税率の対象となって8%になる。コンビニエンスストアで弁当などを購入しても、店内のイートインスペースで飲食するなら外食で10%、持ち帰りなら8%となる。駄菓子屋で子供がすぐに食べられるようにテーブルを設けている店があったら、子供がその場で食べるかどうかで税率を変更しなければならないのだ。

 これはかなり店舗側への負担が大きい施策ではある。とはいえ、対応せざるを得ないため、商品を売るごとに消費税が10%か8%かを個別に判断しなければならない。「まとめて最後に10%を算出」というわけにもいかないので、手作業でのレジ打ちは難しく、対応レジを導入する方が安心できる。

 このレジ導入のために政府が打ち出したのが補助金制度だ。軽減税率対応レジ購入にまつわる経費に対して所定の補助をするという制度で、2019年1月1日からは対象事業者や補助金の上限額が拡大されている。

 一般的にキャッシュレジスターや電子レジスターと呼ばれるレジを導入する場合、補助金の上限額は20万円で、レジ本体、付属機器、レジ用ソフトウェアといった費用では、レジ1台で3万円未満なら5分の4、レジ2台以上または1台で3万円以上なら4分の3が補助される。設置にかかる費用はさらにレジ1台につき上限20万円で、4分の3が補助される。

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店舗が受けられる、レジ購入にまつわる補助金


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補助金の対象製品

 仮にレジで10万円、設置費用に5万円がかかった場合、補助金は7万5000円と3万7500円となり、かかった費用15万円のうち11万2500円に補助が出て、実質3万7500円で軽減税率対応レジを導入できることになる。費用を抑えればかなり安価になるので、レジ更新に二の足を踏んでいる店舗でもぜひとも利用してほしい。

POSシステムを導入するか否か

 軽減税率対応のために補助金を受けて対応レジを導入しようと考えた場合、どういったレジを導入するのか、というのは難問だ。

 上述のキャッシュレジスターは、小規模店舗ではよく見かけるタイプのレジだ。オプションでバーコードリーダーや電子マネーリーダーなどを接続できるタイプもあり、軽減税率対応タイプも販売されている。

 例えば複数税率に対応したキャッシュレジスターの場合、同じ商品でも店内で飲食するものと持ち帰りで部門を分け、税率を変えて登録しておけば、軽減税率にも対応できる。

 基本的にはスタンドアロン動作となるが、SDスロットを装備していて、売り上げデータを保存してPCで売り上げ管理をできる、という製品も多い。一部ネットワーク対応もあるが、オンラインサービスは有料という場合もある。

 こぅしたレジは、個人商店や小規模店だと十分という場合も多いだろう。機能的には必要十分ともいえるし、飲食店向け、商店向けと選択肢もある。そうしたキャッシュレジスターを既に利用している場合、軽減税率には対応済みのため、そのまま継続しても問題はない。

 しかし、これを機により高機能なPOSレジへの移行を検討してみてはどうだろうか。POS(Point of Sales)は、レジを通して商品を販売した情報を管理する仕組みだ。POSシステムによって販売情報を集約して、蓄積、分析することでさまざまな店舗改善を図ることを狙ったものだ。

 売れ筋商品を多く入荷して品切れを防ぐ、ロスを減らす、従業員も客の多い時間帯に増員する、といった具合に、単に売ったものを再入荷するだけではなく、より適切な商品管理、店舗運営につながる可能性がある。よく使われるABC分析のような売り上げ分析も容易に行えるのがメリットだ。

 POSシステムは複数のレジの情報を集約させることで真価を発揮する。単独のレジでも似たようなことはPCで管理することはできる。複数のPOSレジ、しかも複数店舗の情報をまとめられれば、さらに精度も上がるし、地域別の特徴などの新たな情報も得られる。

 POSレジは、POSシステムの機能を内蔵したレジだ。その分レジ本体の価格も跳ね上がり、そのまま売り上げを分析したレポートを印刷できる機能も備えているなど、高機能になっている。

 製品によっては政府補助金の上限20万円を超えてしまう製品もあり、個人店などにとっては機能が過剰という場合もあるだろうが、POSシステムが持つ分析などの機能は、個人店にとっても魅力的なはずだ。従業員もスペースも商材も限られているからこそ、POSシステムは効率のいい店舗運営の一助になってくれるだろう。


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» 2019年03月05日 06時00分 公開

[小山安博,ITmedia]




個人店でもPOSが導入しやすくなる「mPOS」

 そうした中、注目したいのが「モバイルPOS(mPOS)」と呼ばれるPOSシステム。WindowsやiOS、Androidといった一般的なOSを使い、タブレットやスマートフォンというモバイル端末をレジとして使うのがmPOSのスタイルだ。

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タブレットをレジ端末として使える「mPOS」が増えている。写真はリクルートライフスタイルの「Airレジ」

 mPOSでは、POSレジやPOSシステムの機能をアプリの形でインストールし、通常のモバイル端末をPOSレジへと変化させることができる。レジとして必要なドロアやレシートプリンタ、バーコードリーダー、クレジットカードリーダーなどを追加すれば、立派なPOSレジとして使用することができる。

 普段使用しているスマートフォンやタブレットをそのまま流用するのはさすがに難しいが、自宅内に使っていないiPadがあれば、それをそのまま使える。最上位機種である必要はないので、新規に購入しても、例えばiPadだと3万7800円(税別)から購入できる。

 最も安価なパターンだと、これだけでmPOSはスタートできる。後はmPOSサービスと契約して、アプリをインストールして設定すればいい。この手軽さがmPOSの売りの1つだ。設定しておけば、後は注文・会計時に商品ボタンをタッチしていけばいい。

 商品と価格を覚えている必要はないし、割引などの価格変更も柔軟に対応できる。どういった機能が搭載されているかは、各アプリ、サービスによって異なるが、一般的なPOSシステムで必要な機能は網羅されており、機能として遜色はない。

 そのままタブレットを使って1日の売り上げ分析をすることもできるし、レジ締めのための機能もそろっている。顧客管理、在庫管理といった機能も搭載していて幅広いサービスが利用できる。

 拡張性も確保されている。タブレット1つで利用開始しても、現金を扱うドロアやレシートプリンタを導入して、より一般的なレジに近づけることもできる。クレジットカードリーダーを追加してもいいし、話題のQRコード決済なら、mPOSサービス側が対応していればタブレットのカメラで読み込むといったこともできる。

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mPOSにドロアやレシートプリンタを追加することもできる

 もちろん、mPOSサービスの多くは消費税増税に伴う軽減税率に対応している。サービス側が改修すれば、店側はアプリのアップデートなどで簡単に軽減税率に対応できるというのも、mPOSのメリットだろう。

 軽減税率対応なので、政府の軽減税率対策補助金の対象にもなる。今回の制度だと、「各サービス事業者が補助金の対象となるように登録した端末」が対象となるため、自由に端末を選んで補助金を受け取る、ということはできない。中古端末も対象外だ。自分が利用するサービス事業者や中小企業庁所管の軽減税率対策補助金事務局のサイトでチェックしておこう。

 対象となるのは各サービス事業者が動作保証して事務局に登録したタブレットなど、レシートプリンタを含む付属機器、さらにそれらをセットにしたパッケージとされている。ドロアやバーコードリーダー、クレジットカードリーダー、電子マネーリーダー、カスタマーディスプレイ、ルーターの導入費用も対象となる。

 補助されるのは、タブレットなどのレジ本体となる端末が2分の1、それ以外の付属機器やサービス導入費は4分の3の金額で、このセットで1システムあたり20万円が補助の上限だ。さらに設置にかかる経費があれば、それも別途1システムあたり20万円を上限に補助金が出る。1事業者あたりの上限は200万円だ。

 タブレットが4万円なら補助金は2万円、パッケージが10万円なら補助金は7万5000円となり、全体で14万円のうち、補助金は9万5000円。実質4万5000円でmPOSシステムが導入できることになる。

 ちなみにmPOSの場合、補助金申請にはレシートプリンタが必須だ。mPOSサービスの利用には、もちろんタブレットやスマートフォンが必要となるため、補助金申請には最低でもタブレットなどとレシートプリンタの導入が必要となり、「タブレット単体で利用する」場合は補助金の対象外なので注意したい。

 以上のように、消費税増税に伴う軽減税率の導入で、今はPOSレジ導入のチャンスでもある。mPOSであれば、今後の拡張性も考慮されており、後からキャッシュレス対応などの機能拡張も検討できる。

 補助金申請は、2019年9月30日までに導入、支払いが完了している必要がある。まだ間に合うので、これを機に検討してみてはいかがだろうか。


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Source: IT総合情報

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