未分類

結論は先に、余白は多めに。プレゼン時の正しい「アピり方」

結論は先に、余白は多めに。プレゼン時の正しい「アピり方」
Photo: 印南敦史

プレゼン・コンシェルジュが教える 社会人1年目の「アピり方」』(天野暢子著、CCCメディアハウス)は、新社会人や社会人歴の浅い方を対象として、「ビジネスマナー、言葉がけや行動によって周囲から一目置かれる存在」になってもらうために書かれたものなのだそうです。

たとえば、職場の方にお祝いごとがあった場合、同僚へのお祝い金の相場や祝儀袋の書き方など常識的な決まりごとはあります。

しかし、気遣いをさせてしまうだけでなく、お返しの品物の手配で相手が忙しくなってしまう可能性まで想像できれば、メッセージを買いたカードを渡すだけにとどめるという配慮も考えられます。

(中略)

「マナーの一歩先の行動」で自分をさりげなくアピールすれば、重要な仕事を任されるようになります。そしてその仕事をこなすことで、本当に仕事ができるようになるのです。(「はじめに」より)

こう主張する著者はかつて、新卒で中堅の広告代理店に就職し、新聞の広告スペースを買いつける担当をしていたのだそうです。

大手代理店との枠取り競争のなかで常に考えていたのは、経験の少ない自分の要望をどうしたら聞き入れてもらえるのかということ。

そして、そんな過程においてさまざまな人と接しながら「さりげないけれど、すてきな言動」を研究して真似し、仕事を勝ち取ってきたというのです。

本書においてはそうした経験に基づき、「心構え・マナー」「現場・実務」「身だしなみ」「コミュニケーション」「電話・応対」「指示・依頼」「連絡・報告」「来客対応」「外出・訪問」「ビジネス文書」「プレゼンテーション」「メール」「郵便・発送」「IT・SNS」「社内外の交際」について覚えておくべきことを解説しているわけです。

きょうは「プレゼンテーション」の項目のなかから、いくつかのポイントをピックアップしてみたいと思います。

結論は最初に伝える

情報を伝える際に気をつけなければいけないのは、もっとも伝えたいこと、あるいは相手が一番に知りたいことを、なるべく短時間で伝えること。

それはプレゼンでも、資料を渡すときでも同じだといいます。

口頭ならば、「結論から先に申し上げると…」「ポイントを一言で言うと…」など、前置きした上で結論から伝えます。その背景や理由、今後の展望を伝えるのはその後です。

資料の場合は、表紙のタイトルや見出しで一番大切なポイントを1行におさまる量で伝えます。これなら「あの人の連絡や報告はすぐ終わるから聞いておこう」と思ってもらえます。

逆に過程や言い訳などから入ると、「で、結局何が言いたいの?」と相手をイライラさせるだけでなく、相手の時間を奪うだけです。(134ページより)

また、たとえば「A社から毎月5万円の手数料が入ってくる代理店契約の申し出がありました」など、聞き手にメリットがある話題を最初に伝えると、続きを聞きたいと思ってもらえるもの。

経緯や意図、具体的な運用方法などはあとからいくらでも説明できるのですから、「まずは結論」だという考え方です。

仮にそれが相手にとってよくない情報だったとしても、結論やポイントを最初に伝えれば、それは相手にとっていちばんありがたいことになります。

このようなことも、「相手の時間を奪わない」という気づかいであるわけです。

同じように、「相手に伝わる言葉」で伝えることも大切。たとえば年配の方に対して「A社とのブリーフィングのアポは先方からリスケしてきました」など、カタカナ言葉を多用しすぎると意味が通じないこともあるわけです。

そうした場合には、「A社との打ち合わせのお約束ですが、先方から変更依頼の連絡がありました」など、誰でもわかる言葉で伝えるのが適切な手段。(134ページより)

タイムキーピング

プレゼンテーションは、3分、10分、30分と時間が制限されたなかで行われるもの。

条件を同じにしたうえで、コンペを実施して選ぶことになるわけです。そのため、内容がどれだけ素晴らしかったとしても、時間を守れないのでは努力が水の泡になってしまいます

たとえ自分ひとりしかプレゼンをする人がいなかったとしても、相手の貴重な時間を奪って迷惑をかけることは避けたいところ。

そしていちばんまずいのは、「時間が超過しても結論が言えずじまい」というケース。

逆に、早く終わりすぎて時間を余らせてしまうのも適切ではありません。早くても10分前、ピタリとおわらせるのが理想だということ。

時間ぴったりでプレゼンを終わらせると、その場にいた人はまず驚きます。というのも、時間を超過させる人が大半だからです。

時間通りに終えると、「時間通りに終わるとは、どれだけ構成を練って準備してきたのだろう」と感心され、ときに拍手が起きることもあります。

これだけであなたの提案は揺るぎなく、「イエス」を引き出す力を発揮します。(136~137ページより)

そこで、プレゼンの予定があるなら、まずは「挨拶で○秒、概略紹介で○秒、Aの説明に○分○秒」というように、時間の割り振りを設計することが大切。

ちなみに2時間など長い時間のほうが調整しやすく、数分のプレゼンは時間を守りにくいものなのだとか。

いずれにせよ、計算上ぴったりになったら、その時間で何度も練習することが重要だということです。

もし演台やテーブルがあるなら、ストップウォッチなどカウントアップ時計を置いて経過時間をチェックするべき。

パソコンを使うなら、画面内のデジタル時計でも時刻は確認可能。あるいは腕時計の盤面を手首の内側につけ、手の甲を見ずに時間を確認するという裏技も。

プレゼンテーションで時間を厳守することは、当たり前のようでなかなかできないもの。

ということは、それができるだけで一目置かれる存在になれるということでもあるのです。(136ページより)

読まなくて済む資料

「この商品はとても便利です」「お悩みはこれで解決できます」など、プレゼン資料においては自分がもっとも伝えたいメッセージを伝える必要があります。

しかし実際問題として、文章を読んで理解することは相手にとっての負担でもあります。「読ませる資料」ではなく、「読まなくても済む資料」がいちばんありがたいわけです。

「読まなくても済む資料」とは、パラパラめくっただけでもパッと見で概略が掴めるもののこと。そうした資料をつくるためには、いくつかの方法があるのだといいます。

まずは箇条書きの活用。1項1文なので、「しかし」「また」のような接続詞を省くことが可能。

そして、文の頭に「・」「●」「※」などの記号をつければ注目を集めやすくもなります。

また文章ではなく、グラフや図解、イラスト、写真などビジュアルに置き換えれば、格段にすっきりすることでしょう。

もちろん、レイアウトの活用も効果的。「ビフォー/アフター」の紹介なら左に過去、右に現在の状態を矢印(→)で見せれば、文章で説明しなくても、左の状態から右の状態へ変化したことがわかるわけです。

いろいろ伝えたいと思うと、つい情報を詰め込んでしまいがち。

しかし、文章を少なくすると、読み手をストレスから解放させることができます。それだけで、他の人と差をつけることができるのです。(138ページより)

強弱をつけて余白多く

群衆のなかからひとりを探すのが大変であるのと同じように、資料の紙面に情報を盛り込みすぎると、読み手にストレスをかけることになります。

だとすれば、そのイライラを少しでも楽にすることもプレゼンターの役割。そのために大切なのは、見て欲しいものだけが目に入るように強弱をつけること。

「念のため」「とりあえず」の情報ではなく、本当に伝えたいことだけを残すわけです。ちなみに、余白を多めに確保しておくと、伝えたいことが目立つようになります。

さらに、本文など長い文章が続くスペースには、読みやすい明朝体の黒い文字を

逆にタイトルや見出しなど目立たせたい文字はゴシックのような太いフォント、大きなサイズや色を使って目立たせると効果的。

長文を読みやすくするために、両方を使い分けて強弱をつけるわけです。

「この資料、わかりやすいね」と言われる人の資料の文章が、必ずしも上手だとは限らないと著者は言います。

それよりも大切なのは「見せ方」。資料にメリハリをつけるだけで、自分のことを格段に「できる人」に見せることができるということです。(140ページより)

情報を整理する

相手にわかりやすく伝えるための重要なポイントは、「伝える内容」が自分のなかで整理できていること。ゴミ箱の中身をごっそり渡されたら、それは単なるゴミでしかありません。

しかし、新聞紙、雑誌、ミスコピーと整理された状態で渡されたとしたら、それは資源に見えてくるはず。情報にも、同じことが言えるわけです。

無秩序な情報は、その枠組みや骨組みを整理して伝えるようにすることで、相手は自分で考えて取捨選択する必要がなくなります。

それによって、情報を受け取ることができるのです。(142ページより)

情報を整理する指標は、①カテゴリー ②時間 ③順序

たとえば飲食店であれば、①は「フード」「ドリンク」「コース」など。②は時間割で、1日のなかで共通する項目を表にまとめることが可能。

最後の③は、受付番号や五十音順などルールをもって採番された番号のこと。

このように整理した情報を視覚的にわかりやすくするだけでなく、文字数を減らすことも可能。

そうすることで商品やサービスなどへの自分の理解も深まり、また相手に伝えたい情報が明確になるため、情報を受け取る相手も楽になるわけです。

「結局、なにが言いたいの?」と思わせてしまっては、相手の貴重な時間を奪ってしまうだけ。そうなることを避けるために、頭のなかを整理してから伝えることが大切だというわけです。(142ページより)

信ぴょう性

プレゼンを決めようと夢中になりすぎると、「これはこんなにスゴいんです」「この問題を放置しておくと大変なことになります」など、話をつい大げさにしてしまいがち

しかしそれでは当然ながら、「それって本当?」「聞いたこともないけど、誰が言ってるの?」などと思われることになってしまいます。

主観的な意見だと思われた時点で、プレゼンは負けです。ですから、裏付けを盛り込んで相手を安心させなくてはなりません。(148ページより)

口頭だとしたら、「平成209年度の○○総研の調査で」と前置きしてから「~という結果が出ています」というように。

資料の場合は表やグラフのそばに「出典:平成29年 ○○総研 大学生の消費動向調査」のように出典、すなわちネタ元を紹介することが大切

なお民間企業の調査でも裏づけにはなるものの、その企業に知名度がない場合は効果が期待できません。「平成29年9月 総務省 家計調査(2人以上)」など官公庁や大学の研究機関のデータや発表のほうが効果的だということ。

また、「NHKのニュースに出ていた」「朝日新聞に載っていた」などマスコミの力も依然としてあるもの。

テレビならその動画を見せるのがベストですが、静止画でも大丈夫。記事ならコピーを見せればいいわけです。

もしも自分がすでにヒットメーカーであるなら、「君の意見なら」とすぐに取り入れてもらえる可能でもあるでしょう。

しかし、まだそうでないのであれば、まず必要なのは信頼を勝ち取ること。そのためにも、相手を安心して納得させなければならないわけです。

そこで公のお墨付きを大いに利用して信ぴょう性をアピールし、相手から「イエス」を引き出すことが大切。

自分の主観で相手を納得させるのは、そんな積み重ねのあとだというわけです。(148ページより)

広範なことがらについて簡潔な解決がなされているだけに、その時点で知っておきたい知識を無駄なく身につけることが可能。

ビジネスマナーには、なかなか人に聞けないことも少なくないだけに、手の届く場所に置いておきたい一冊です。

あわせて読みたい

Photo: 印南敦史

Source: Amazon

印南敦史

Source: ライフハッカー

Most Popular

To Top
%d人のブロガーが「いいね」をつけました。