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限りがあるからこそ有効。資料作成は「A4一枚」がベストな理由

限りがあるからこそ有効。資料作成は「A4一枚」がベストな理由

資料作成」は、デスクワーク中心のビジネスパーソンにとって従業な作業のひとつ。

しかし、そうであるにもかかわらず、資料作成について体系だった教育を受ける機会はあまりないものでもあります。

現実問題として多くの方が、試行錯誤しながら資料づくりに取り組んでいるのではないでしょうか?

そこで参考にしたいのが、きょうご紹介する『社内プレゼン一発OK! 「A4一枚」から始める最速の資料作成術』(稲葉崇志著、CCCメディアハウス)。

著者は採用や人事研修、制度改革など人事領域のコンサルタントとして企業の支援を行っている人物ですが、それ以前はNTTグループや日本IBMでコンサルタントとして勤務していたのだとか。

両社とも同じIT業界にありながら、この2社はまったく異なる文化を持っており、それが資料作成のスタイルを確立することに役立ったのだといいます。

NTTはかつての電電公社、ご想像のとおり稟議文化の強い組織です。一方でIBMはスピード感があり、権限をもつ職位の人物がどんどん決断していく会社です。当然、使われる資料はまったく違います。

そのため、私は稟議文化での資料のつくり方と、即断される資料のつくり方の両方を身につける機会に恵まれました。そうして一つの方法論として形にできたのが、本書で紹介する「A4一枚資料」のスタイルです。(「はじめに」より)

でも、なぜ「A4一枚」が有効なのでしょうか?

著者によればその理由は、「つくりやすく」「わかりやすい」から。「つくりやすい」資料は作成者の負担を減らし、「わかりやすい」資料は読み手の負担を減らすということです。

また、視認性のよさが大きなメリット。ぱっと見て課題や対応策、スケジュールなどの情報を瞬時に把握できるので、「一枚」にまとめられた資料にかなうものはなし。

読み手とつくり手のどちらにとっても理想的だというのです。

その点を踏まえたうえで、きょうは第1章「資料作成は『A4一枚』から始める」からいくつかの要点を抜き出してみることにしましょう。

3つのポイントを確実に押さえる

資料のクオリティを決める要素は、次の2つだといいます。

◎ 資料をつくる目的を正しく理解していること

◎ 目的に合致した内容になっていること

(28ページより)

資料には必ず目的があるものです。

その目的を達成するために相手(ターゲット)に合わせた適切なメッセージを伝えることが資料の役割。そして、高いクオリティの条件。

そこで、「目的」「ターゲット」「メッセージ」の3つを明確にする必要性が求められるわけです。そして、これらを把握することは、作成者の効率的な作業のためにも重要。

もしかしたら、「『A4一枚』の資料では伝えきれない」という意見もあるかもしれません。だとすればそれは、「目的」「ターゲット」「メッセージ」という3つのポイントをきちんと意識していないからだと著者は指摘しています。

資料は多くの場合、その当事者が作成するものです。ところが、その内容にもっとも詳しい当事者は、すべての情報を資料に記述してしまいがち。

しかしほとんどの場合、それらは「目的」のために必要なものではないのだと著者は言います。

提案書であれば、資料を作成する目的は「承認をもらうこと」、あるいは対象となる部門や担当者の「協力を得ること」。

つまり、そうした目的に応じて必要最低限の情報に絞り込むことが重要であるわけです。逆にいえば、そうした目的につながらない情報は不要だというわけです。

また、読み手の認識力や集中力に配慮することも大切。人が一度に処理できる能力には限界があり、集中力も資料内容の理解に影響するもの。

そのため必要以上の情報は、読み手の認識力や集中力に負担をかけ、理解を阻害する要因にもなるということ。

そのため、「提案書の目的はあくまでも提案に対する承認や協力を得ること」だという本質から離れるべきではないというのです。(28ページより)

「A4一枚」に書き込む要素は6つ

一枚のスペースに詳細な情報を盛り込むのは困難です。

にもかかわらずスペースを「A4一枚」と限定するのは、もっとも大切なことにフォーカスすることによって、相手に伝わる資料になるから。

人が一度に多くの情報を処理できない以上、本当に伝えたいことをギリギリまで絞り込むことが必要になります。

その点、たった数項目しか表現できないという「A4一枚」の制約こそが、「伝わる」資料の重要なポイントになるということ。

そして「A4一枚」資料では、内容によって四項目あるいは六項目の情報を記載するのがよいそうです。

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Image: CCCメディアハウス

分割された項目内容は資料によって異なりますが、提案書については<背景><目的><提案><スケジュール><体制><課題>の6つの内容で構成。

そのほかの資料は、基本的に四分割のレイアウトで作成すべきだといいます。

たとえば課題分析の報告書なら、<問題><課題分析><原因の詳細><対策>、事故報告書なら、<事故概要><状況><原因><今後の対応>といった具合。

なお、たった一枚の限られたスペースになにを書くべきかについては、「ピラミッド・ストラクチャー」を使って考えることが可能。

それは、ロジカルシンキングのためのツールのひとつだそうです。

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Image: CCCメディアハウス

基本のピラミッドは三段構造で、上段を下位の段が支える構造になっています。メインメッセージは、資料全体の「目的」にあたる部分。

提案書であれば、承認や合意をもらうための「○○すべき」という表現になるわけです。

二段目のメッセージは、メインメッセージ(「○○すべき」)の根拠となる要素。続く三段目は、さらにキーメッセージの根拠となる内容。

資料の四項目あるいは六項目は、二段目のキーメッセージに対応するそうです。

提案書を例にすると、「○○すべき」という提案(メインメッセージ)を伝えるため、次のことを説明すべき。

◎ どのような問題が起きていて(背景)

◎ 何をすべきなのか(目的)

◎ 何ができるのか(提案)

◎ どのように進めるか(スケジュール)

◎ 実行にあたって十分な能力があるか(体制)

◎ クリアしなくてはいけないことは何か(課題)

(37~38ページより)

このように二段目のキーメッセージに対応する内容を記載することで、「A4一枚」資料が論理的な説明になるということ。(34ページより)

「A4一枚」から始める資料作成のステップ

資料作成において最初に取りかかるのは、資料作成の「設計」。

いきなり資料を「つくる作業」を始めるのではなく、まず行うのは「考える作業」。それが資料の設計であるわけです。

資料の作成は多くの場合、上司からの指示によって始まるもの。しかしその段階で、「どんな方向性で資料をつくればいいのかわからない」という壁にぶつかることは少なくないでしょう。

完成した資料を上司に見せた結果、「意図が違う」などの理由で大きな修正を求められることもあるわけです。

著者によればそれは、資料の目的やゴールが正しく認識できていなかったことが原因

もしも早い段階でドラフト(設計書)をつくって上司に確認すれば、そんな状況を避けることができるということです。

ドラフトに見栄えのよさは必要なく、優先すべき価値はスピード。作業の指示があり次第、真っ先にドラフトづくりにとりかかるべきだという考え方です。

ドラフトによって作成する資料の方向性がかたまれば、次はいよいよ実際に使用する資料「A4一枚のサマリー」の作成。

「詳細資料があってこそのサマリー(要約)ではないか」という意見もあるでしょうが、会議などで詳細な資料を十分に読み込むことが難しい場合、内容を簡単に要約した「サマリー」を準備することがあるといいます。

ちなみに本書におけるA4一枚資料の「サマリー」は、名前こそ同じであるものの、その使い方がまったく違うのだとか。

具体的にいえば本書では「詳細資料」ではなく、「A4一枚のサマリー」を資料の本体として完成させるというのです。

理由は、読み手とつくり手のどちらにとっても簡単な資料のほうがよいから。

なお詳細資料よりも先にサマリーがつくれるのは、「資料の読み手が知りたいこと」だけを見せるから。

そして、資料の作成者はそのために、「資料によって誰からどのようなアクションを引き出すか」、その目的を正しく理解しておく必要があるわけです。

冒頭でも触れたとおり、資料作成で四苦八苦している方はすくなくないはず。だからこそ、本書を活用してみてはいかがでしょうか。

初めて資料作成をする人から、いつも試行錯誤を繰り返している人まで、多くのビジネスパーソンに役立ちそうです。

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Photo: 印南敦史

Source: CCCメディアハウス

Source: ライフハッカー

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