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4Gサービスの準備は「順調」 料金は「透明性を高める」――MNO参入準備を進める「楽天モバイル」

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» 2019年05月10日 21時45分 公開

楽天が2019年度第1四半期の連結業績を発表した。モバイルセグメントは、楽天モバイルのMNO化に向けた準備で先行投資が続いている。その「MNO化」は順調なのだろうか? 決算説明会の模様を簡単にお伝えする。

[井上翔,ITmedia]




 楽天は5月10日、2019年度(※1)第1四半期の連結決算を発表した。同年度から独立した「モバイルセグメント」(※2)における売上高は、前年度同期比23.2%増の253億6300億円となった一方で、営業損失額は前年同期比で約10倍の64億2500億円となった。

 営業損失の増加は、子会社の「楽天モバイル」が2019年10月に予定するMNOサービス開始に向けた先行投資によるものだという。その準備状況はいかほどなのだろうか。

※1 楽天の「年度」は1月1日開始、12月31日締め
※2 楽天モバイルを含む通信事業、メッセージンサービス事業やエナジー事業など

モバイルセグメントの四半期推移
楽天のモバイルセグメントの四半期業績推移


廣瀬研二CFO
報道関係者に決算を説明する廣瀬研二副社長(CFO)

実店舗は500店舗に でも勝負は「オンライン」で

 先述の通り、楽天モバイルはMNOサービス開始に向けた先行投資を行っている。その1つが「楽天モバイルショップ」の拡大だ。4月25日の記事でも触れた通り、4月30日にオープンしたイオンモール春日部店(埼玉県春日部市)をもって全国500店舗を達成した。

 しかし、既存のMNO(NTTドコモ、au、ソフトバンク)と比較すると店舗数はまだまだ少ない上、小規模な「ショップインショップ」「専門コーナー(ブース)」という形態のものが多い。

 5月10日に開催された報道関係者向けの決算説明会では、出席した記者からこの点に関する質問が寄せられ、楽天モバイルの社長を兼務する山田善久副社長が回答する場面があった。

―― MNO(サービス)開始に向けて店舗を数を拡大しているということですが、他のMNOだと2500店舗以上あるのに対し、楽天は現時点で500店舗です。山田副社長は「イノベーションによって接客面でも差別化できる」と言いますが、店舗数に明らかな差がある中で、どのような「差別化」を考えているのでしょうか。

山田副社長 私たちの拠点は、量販店(のコーナー)を含めて500あります。MNOサービスの開始前、あるいは開始後はもう少し拡大するつもりでいます。

 ただ、「他社さんのように2500拠点(店舗)を目指すか」と言われると、明確に決めていることはありませんが、そこまでは目指さないのかなと思っています。

 店舗での(サービス面の)イノベーションもそうですが、そもそも私たち(楽天)は元々Eコマースの会社です。(MVNOサービスは)半分とまではいきませんが、オンラインで結構な数字を販売しています。他社さんと比べて、(MNOサービスでも)オンラインでの販売に力を入れていきたいと思っています。

 ただ「どうしてもお店で買いたい(契約したい)」という人はいらっしゃるので、もう少しは(店舗数を)増やしますが、他のことを含めて他社さんと横並びで勝負しようとは考えていません

 言えないこともありますが、限られた店舗数でも、工夫をすればできることはいろいろあると思っています。

 店舗はもう少し増やすが、他キャリアのようにたくさんは設けずに、楽天の強みであるオンライン販売で勝負をかける姿勢のようだ。

500店舗
500店舗(拠点)に達した楽天モバイルショップ。もう少し増やすが、他キャリアとそこで「張り合う」考えはないという


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» 2019年05月10日 21時45分 公開

[井上翔,ITmedia]




LTE(4G)サービスは夏頃に「大規模実証実験」 料金はどうする?

 楽天モバイルは、2018年4月に割り当てを受けた1.7GHz帯(Band 3)の新帯域を使ってLTE(4G)通信サービスを行う。同年12月には基地局の建設を開始し、準備を着実に進めているという。

 廣瀬研二副社長(CFO)によると、今年(2019年)夏ごろに「大規模実証実験」を実施し、その後MNOサービスの料金プランや価格戦略を発表し、10月のサービスインにつなげるという。

 問題は「料金プラン」だ。既報の通り、2019年3月14日10時以降にMVNOサービスを契約した人は10月以降に同じプランでMNOサービスに移行できるが、それ以前にMVNOサービスを契約した人、あるいはMNOサービスを新規契約した人にはどのようなプランを提供するのかはいまだに明らかとなっていない。

 競合他社の様子を見ると、ドコモは新プランを発表し、ソフトバンクも低・中価格帯のY!mobileブランドで分離プランの導入を表明。auも何らかの形で料金プランの見直しを行う予定となっている(参考記事)。ある意味で、料金面における楽天モバイルの優位性は薄れつつある。

 決算説明会では、10月のサービスインに対する準備の進捗(しんちょく)や料金プランに関する疑問について、報道関係者が山田副社長に質問する場面も見受けられた。

4Gサービスのロードマップ
4GのMNOサービス開始に向けたロードマップ。この図では料金プランの発表が「夏頃」と「10月」の中間にあるように見えるが……

―― MNOサービス開始に向けた準備状況を教えてください。

山田副社長 日々いろいろな課題がありますが、それらをしっかりこなしつつ、10月のローンチに向かっています。基本的にはオントラック(計画通り)です。

―― ドコモが新料金を発表してきました。他のキャリアとどう差別化していくのか、方向性だけでも教えてください。

山田副社長 他社さんが(新料金などを)発表をしたら、それは当然フォロー(確認)しています。ただ、私たちとしては「他社さんがこうだから」というよりはお客さま第一の目線で、分かりやすく、透明性の高い料金を打ち出したいと考えています。

 もちろん、低廉な求めやすい価格になるとは思いますが、どういう形で発表するなど、詳しいことを話すには時期尚早かなと思っています。

―― 決算説明資料には、(2019年)夏頃の大規模実証実験と10月のサービス開始予定の中間点に「料金プラン、価格戦略発表」と書いてあります。これは「料金プランの発表は夏以降」ということを示しているのでしょうか。

山田副社長 料金発表の時期はあえてぼかして表記しました。まだ決まったものはありませんし、前過ぎると(競合他社に)手の内を見せてしまうことになってしまいます。

―― MNOへの参入を表明した当時と比べると、「安さ」を始めとする楽天モバイルの強みを発揮しづらい環境になっていると思います。そのことをどうお考えでしょうか。

山田副社長 あまり他社さんの価格についてコメントするのも適当ではないですが、まだ(他社の料金には)まだ分かりにくい部分があり、私たちとしては差別化できる余地は十分にあると思います

 例えば「最大3〜4割(料金が)下がります」と言われても、どこから値下げしたのか、とか(条件面が)複雑ですよね。料金が1種類だけで、それで(全員が)3〜4割下がるわけではありません。

 そういうこともあり、従前と比べて「差別化しにくくなった」とはそれほど思ってはいません。

―― 価格以外の面(の競争)はどうでしょうか。

山田副社長 これも手の内を明かすことになってしまうのであまり詳しくは話せませんが、ユーザーエクスペリエンス(UX)という言葉もありますが、「お客様第一目線」での総合的な使いやすさなど、改善の余地はあると考えています。

 いろいろな場面で、私たちは「携帯業界を民主化する」と言っていますが(参考記事)、それは料金を含むもろもろの事柄をユーザー目線で変えていくことです。ネットワークだけではなく、店舗での体験など(いろいろなことに)イノベーションを起こすことができると考えています。

 残念ながら、料金プランの発表はもう少し先の話となりそうだ。ただ、シンプルさを追求しようという姿勢は伺える。

山田善久副社長
記者からの質疑に応える山田善久副社長(モバイルセグメントリーダー、楽天モバイル社長)


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» 2019年05月10日 21時45分 公開

[井上翔,ITmedia]




5Gの設備投資 約5年間でどう振り分ける?

 既報の通り、楽天モバイルは4月10日、5G NR(5G New Radio:5Gの商用通信規格)用の電波の割り当てを受けた。同社は5G通信サービスを2020年6月に開始する見通しで、2025年3月までに合計で約2000億円の設備投資を予定している。

 ただ、問題はその投資を“いつ”重点的に行うかということ。この点についても、決算説明会で記者から質問が上がった。

―― 5Gサービスへの設備投資について、「2025年までに約2000億円」となっていますが、「半分超は(サービス開始時期である)2020年6月に使う」といったように、いつ、どのくらいの投資をする見込みなのか、具体的に教えていただきたいです。

山田副社長 5Gへの設備投資のタイミングの詳細は公表していません。ただし、総務省が「2021年3月までに全都道府県でサービス開始する」という開設条件を提示していて、それにコミット(合致)しないといけないので、投資が後ろに思いきり寄ることはありません。だからといって、(サービス開始予定の)2020年6月あたりで一気に入れる訳でもありません。

 5Gへの投資は、極端に偏らず、5G基地局の開設条件に従うように行っていくことになりそうだ。

5G計画
5G通信サービスにおけるタイムスケジュール。約5年間で2000億円ほどの投資を見込む


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Source: IT総合情報

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